IXTの森

イギリス発保険のブロックチェーンカンパニーiX Technology Groupの情報と、プラットフォームのiXledger及びERC20トークンの$IXTに関する情報を発信していきます。

iXledgerホワイトペーパー読解vol1(概要および課題設定編)

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今更ながらiXledgerのホワイトペーパーをきちんと見てみます。

何か見落としがあるかもしれないので。

ざっくりとIXTのプロジェクトについて知りたい方は界隈のゴリラ達が既にわかりやすいPocketWPや動画を作成済みなので是非見てみてください💁‍♂️

 

 

 

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ホワイトペーパーの最新版

ありがたいことに有志の方(Sajiさんだったかな?)が本家のホワイトペーパーを日本語に翻訳してくれているのでそれを使ってみていきます。

 

ホワイトペーパーは以下にあります。

 

●ホワイトペーパー 2017/11バージョン(英語版)

https://www.ixledger.com/wp-content/uploads/2017/05/ixledger_whitepaper_v1.1.pdf

●ホワイトペーパー 2017/11バージョン(日本語訳)

https://drive.google.com/open?id=1COV9-PmFHa6N8HCBM9f4YyzwXSTGBq68

 

概要

概要から見ていきます。ポイント以下の2点。

保険はロイズという保険市場(マーケットプレイス)が既にありますが、それとは別の保険市場を作ろうという目論見です。

さらにブロックチェーンによってプロセスを改善できると言っています。

はじめに

ここでのポイントは以下の2点です。

  • 保険会社や保険仲介人(ブローカー)の運用に最適なツールを開発
  • 彼らの日々の作業の全ての段階において市場との結びつきや効率を最大化

本来のブロックチェーン(スマートコントラクト)の説明ではよく仲介業者を排除することでDecentlized(非中央集権)な世界を実現しますというのを見ますが、iXledgerは仲介業者に当たるブローカーを排除しない方針です。

また日々の作業=取引と捉えますが、保険の取引を行う全てのプロセスで効率を最大化することを考えています。(取引以外もかなぁ)

 

現在の保険市場について

2015年時点での保険市場は3.92兆ドルで経済生産高の5.7%です。

ちなみにこれは再保険なども含めた保険料の総額です。

詳細はあとで出てきますがiXledgerプラットフォームはトランザクション手数料とデータの売買などで収益をあげるのでここでの直接保険料が値段には反映されないですが、その数%〜数十%が手数料と考えても、とにかくとてつもない規模の市場をターゲットにしているということです。

 

存在する課題

ここはかなり重要です。

この課題設定ができるのは保険業界に従事していたインゲマーとアドバイザーのロスなど経験者達ならではだと思います。

まとめると以下のような感じかと思います。

  • 特にミレニアル世代(18-34歳)はシンプルで透明性のあるシステムを求めている。
  • 保険仲介人や保険業者は成長の限界に達している。その要因は紙ベースの手作業による手続きによるところが大きい。
  • 各社は時代遅れのITシステム、特にオンラインに繋がっていない独立したシステムを利用している。

 

市場機会

先の課題から今後市場の方向性を示しています。

  • より顧客のニーズに合わせたオンデマンド保険の必要性
  • GDPRやソルベンシーII、IDDへの対応
  • 保険の売買プロセスが電子的な手段へ移行しつつある
  • AI、モバイルアプリ、ブロックチェーンに期待が高まっている
  • グローバルでの取引をカバーできる仕組みが必要

 

オンデマンド保険は日本でもライフネット生命などのように自分でカスタマイズして契約できる保険が注目を浴びてますね。GDPRなどはGoogleなどの大企業も対応を迫られてユーザー情報の管理が厳格になりました。また今後自動運転やロボット化が進むとこれまでになかった保険が生み出されることも想定されます。そうした場合に紙ベースで保険の契約などを行うのではなく、リアルタイムにロボットが保険契約を結ぶなどの仕組みが必要になると思います。

 

次回はよりディープなiXledgerのテクノロジーについて見ていきます。